小川未明、盛りだくさん!
雨だったのにお客様、いっぱい♪
2月25日(日)三重県四日市市立図書館において、第2回文色草子朗読組の朗読ライブを開催。無事終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、応援本当にありがとうございました。<(_ _)>
主宰の私は、今回読み手として参加せず、ライブのプロデュースに専念し、いわゆる『ライブ』をどう盛り上げていくかを考えながら、プログラムを組みました。
小川未明は生涯で600以上の作品を残した日本を代表する童話作家です。今回7名の朗読組メンバーが揃いまして、いい感じで声の質が違いましたから、作品と作品の間がくっきりあって、メリハリのついたライブ内容になったと思っています。
そして演出を踏まえたPowerPointスライド&BGMもかなり効果的でした。直接お客様にアレコレと感想をお聞きできずでしたが、まずは自分たちで自分たちの反省を行いましょう。
『ライブ』感覚
難しかった“流れ”の作り方
まず何故プログラムが小川未明だったか、というと、ちょうど朗読教室で小川未明の代表作“赤いろうそくとにんぎょ”を朗読教材として技術の研鑽に励んでおり、小川未明の他の作品でその技術を生かしてご来場の皆様へ新解釈を交えて楽しくお届けする挑戦をしたかったのです。
しかし、小川未明の作品は、良くも悪くも「貧しさと悲愴さを分母に、温かみや優しさを分子に置いた童話」がほとんどで、起承転結というメリハリのはっきりとついたプログラムを構築するのが難しかったのです。そこで、メンバーに大勢集まってもらい、それぞれの個性を生かして
組曲『小川未明童話』
を作ってみたかったのです。しかも2月末ですから、暦の上ではもう春です。最後はとても温かい声を持った冨田みちるさんの、春を風景にした『犬と人と花』で飾りました。
しかし当日は、けっこう雨のせいで寒くて春らしくは、ならなかったですね。
メインマイクは2本
第1回もそうだったんですが、メインマイクは2本。つまり読み手が入れ替わるタイミングは、音楽を挟めばかなりスムーズでした。
将来は朗読劇に挑戦したいと思っていますので、マイクにとらわれすぎていると良くないかもしれません。そこで今回のメンバーに「マイクの必要性」について聞いてみたら、特に必要ではないかもね…とのこと。次回はマイクなしで、ちょっと頑張ってみようかなぁ~
マイクを使うメリットは、声を拾う、以外にも表現をつけるツールとして有効なんです。
演歌歌手さんでも、アイドルグループたちでも、マイクを手に持って歌う時をよ~く見てください。口元にマイクと近づけたり遠ざけたりするだけで、少し自分の声の出し方を変えられます。そうやって客席へ声の届け方を、みなさん工夫されているのです。もちろん朗読にも『ライブ』なら、アリです。そう考えると朗読劇なら、あと2本くらいマイクが欲しくなってしまう…
立って読む、座って読む
これも、姿勢が変わると声も変わります。図書館のマイクはスタンドが一つしかありません。ですので一人は立って、もう一人は座って、それぞれ朗読します。
普段は立ったまま朗読します。座る姿勢で朗読に臨むときといえば、音声録音のときですね。『ライブ』はやはり立って読んだ方がノリが良くなるな、と出演者のみなさんを見て思いました。
一気に100分間
これは、プログラム作成の際に反省しなければならないですね。
当日、私は図書館の入り口の前で
「今から朗読ライブ開催しまーす。小川未明の作品でーす。途中で退席していただいてもかいませんので、是非おこしくださーい」
と言っておきながら、と週退席できないほどびっしりと作品を時間いっぱい埋め尽くしました。
言い訳をするなら
今回の朗読メンバーって、ホントすごい人たちばかりなんです。だからずっとお話が続いても絶対飽きずに疲れずに100分間聞き続けられるはず!と、私は勝手に思っていました。
だけど、途中で読み手の中井千保子さんが、お客様に向かって「力抜いて~」と声をかけてくださって、お客様の緊張を解いてくださったので
ああ、朗読って聞く方も力が入っちゃうんだな
と初めて分りました。
100分あれば、真ん中で5分、小休止が必要でした。
読み手の準備、会場の準備
ここも私の手落ちです。
四日市市立図書館は、四日市市と共同で新図書館建設について常々会議を重ねており、とても忙しいのです。そんな中ですので会場設営やお客様の誘導は私たちでやらなければななりません。
まあ、プロジェクター設定やスクリーンの設定、が慣れないためアタフタし、そうこうしているうちにお客様もご来場くださって開始時間となってしまいました。
準備にまったく余裕がなかったのです。
そのため読み手の皆さんが、しっかり精神整えてマイクの前へ立つことが出来ずあまり調子が良くなかったようでした。次回以降はしっかりと…機材の使い方を取得しておかなければならないですね!
会場が図書館のホールであることは、とても幸せ!
本がたくさんあるところで、本を読める幸せ、これ以上のものがありますかっ!
本が読める平和、今はこの時代をしっかりと楽しまなきゃ損ですよね!
この活動を支えてくださっている四日市市立図書館司書さま、本当にありがとうございます。皆様のお力にお応えできるように、私たちもしっかりと朗読活動を通して図書館を盛り上げていきたいのです。
さてさて、気になる朗読者たち
エラソーに朗読者の批評をしてみます。
原美築さん…作品「笑わない娘」
娘の清々しい感受性がとても心地よく表現されていました。が、主役の娘よりも他のキャラクターがあまりにも上手過ぎでした。でも娘のういういしさ、またどこかでもう一度お聞きしたいです。
原晴恵さん…作品「笑わなかった少年」
少年たちの素直な心を見事に読み分けられており、感動しました。ともすれば説教じみたお話になりがちなところをしっかりとあたたかい雰囲気で物語を包んでくれました。
草間春美さん…作品「赤い手袋」
柔らかく読んでしまうと悲しさしか残りませんし固く読み過ぎるとつまらない、そんな難しい物語を引き受けてくださり感謝です。一本の道筋をしっかりと踏み外すことなく聞くことが出来まして、とても満足です。
福井悦子さん…作品「一銭銅貨」
ファンタジーです。小川未明にしては色合いの明るめのお話。落ち着いた持ち味で聞かせて頂きました。もう一回、どこかで読んでくださいませんか?
草間春美さん…作品「抜髪」
今回の作品の中では、一番解釈の難しい作品だったと思います。文章も物語というよりも散文詩のように思えて心情を歌ったり、語ったりする中で“憧れ(恋情)”にフォーカスした新解釈、とても楽しかったです。
中井千保子さん…作品「ものぐさじじいの来世」
自分にぴったり!とご自身を反映されて楽しいオーラ満載でした。さすが一番朗読経験の長い中井さんの持ち味は、私たちとはいい意味で全く違って、とても勉強になります。
冨田みちるさん…作品「犬と人と花」
本当は小川未明が似合う朗読家ではないのに、このやさしい雰囲気はきっと誰も真似できません。桜の花が舞っている中、転生した犬の生涯をゆったりと語ってくださり、お客様もほっとしてお聞き下さっているご様子でした。ラストが冨田さんで良かった~
その他反省すること
他にも反省点はあります。
小川未明の説明不足であった。ライブの開催時間が切羽詰まっていて良くなかった。途中入退場のお客様の誘導。私がドタバタしすぎて開始のアナウンス、終了のアナウンスそして文色草子朗読組についての紹介や今後の計画などを話すことが必要?など。
やってみて分ったこともあります。
スライドショーで進行が可能。ソロだけならマイク1本だけでも可能。音楽を合間に挟むのはとってもいい!
そして次回やってみたいこと
ライブ配信、ツイン朗読、ライブの様子を撮る
です。
もしお手伝い下さる方がいらっしゃいましたら、お問い合わせページからご連絡ください。
今回の文色草子創作組
プログラムを作って下さいました、筆文字アート作家、まえだたかこさん。
次回もどうぞよろしく(^^)
今回もメンバーみなさんに大変お世話になりました。もっと四日市市民を盛り上げていきましょうね。
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