朗読ライブ、ありがとうございました

朗読のお部屋

10月29日、四日市市立図書館にて。

本日、割と自分だけ楽しく朗読をさせて頂きました。お客様は私が通っている朗読教室のお仲間様がほとんどでしたが、お一人だけちゃんとした(?)お客様がお越し下さいました。

本当に、本当に感謝感激です!!

誰も来てくれないだろうなと思っていたんです。
「朗読?オーディオブックがあるじゃん。なにもシロートの読みなんかわざわざ聞きに行かなくったって、めんどくさいだけだし」
そういう気持ちも、とても分ります。し、自分の感性で読みたいですよねやっぱり。ウンウン

でもみなさん、オーディオブックでも、めんどくさいと思いませんか?特にこう、昔の書物なんかを読まなきゃいけない、なんて時に。
(そんなシチュエーションってあるのかな…)

私が狙っているのは
あー、確かそういえばそんな名前の作家がいたなぁ
っていう作家の作品。
私もそういうのを掘り起こしてくるのが好きっていう、妙な性格なのかもしれません。
音大生のころから、メジャーな楽曲よりも、そこまでメジャーではない曲が好きだったり、発見したりするのが好きでした。

だからって、豊島与志雄がメジャーではないってことは、ないですよもちろん。でも教科書に載ってる作家しか、目にとまらないってこと、あるじゃないですか。
だから少しでも教科書から外れちゃった、明治・大正、昭和初期の作品にスポットを当てたら、きっと面白い朗読になる!っていう

挑戦を始めようとしているんです、私。

しかも朗読をご一緒しました中井千保子さんは、私の『ボランティア道』の先生でして、先生と一緒にステージに立つという特別感は、ちょっと楽しかったです。その先生は

「本当に、楽しかったわ!興奮して多分、睡眠薬が効かないわ!」

と言われまして、私、中井さんの精神科主治医に叱られなきゃいけません。

『彗星の話』『お月様の唄』『悪魔の宝』

彗星(ほうきぼし)の話 青年ケメトスは幼少期のころ、自分を育ててくれたお祖父さんの言うことを聞かず自由奔放に過ごしていたが、流れ星に憧れ「星のように飛びたい」と高い場所から飛び降りたりまた登ったりを繰り返し、運動神経が抜群に良くなった。「無理をするでないぞ」というお祖父さんの忠告をうけとめつつも、王様が催す宴会の余興として高い塔の上から命がけで川へ飛び降りた…

中井千保子・朗読。

どんな悪ガキでも見捨てることなく温かい心でケメトスを育てたお祖父さん。
王様から「飛び降りてみろ」という命令を受けて、ケメトスが初めて理解できたお祖父さんの心。
二人の心が通じ合ったとき、ケメトスは本当に、流れ星になってしまう。

豊島は、「自分の愛情は、本物なんだよ」と伝えたかったのかなぁと感じるお話です。

お月様の唄 8歳になった王子が満月の夜だけ出会う森の女王と森の精たちに、自然の森が破壊され人間の生活のため街が作られていくことを教えられる。しかし幼い王子にはどうすることもできない。やがて、女王も森の精たちもどこかへ立ち去ってゆくが…

服部清美・朗読。

とてもファンタジックな物語。豊島氏は若くして奥様を亡くしており、残された3人の子供たちも母親の顔を知らずに育っている。この物語の王子も3歳で母の女王を亡くし母の顔を知らないという設定であるため、まさに子供たちへ様々のことを訴えかけている。
女王や森の精たちは自然破壊を恨むどころか、人間の愚かさを嘆き、王子に再生を託したのか。

物語がどうかというよりも、豊島氏の、亡き妻の形見と言える子供たちへの深い愛情が感じられます。

悪魔の宝 セイイチという腕のいい猟師がある日、獲物がまったく獲れない日に悪魔に出会い、悪魔の姿を当分の間借りる代わりに、悪魔が人間の姿になって、都へ旅に出てしまう。悪魔の姿になったセイイチは次の日から魔力によって面白い程獲物が獲れるようになり、妻のセイが獲物を都へ売りに行き財産を築いた。しかしもう人間に戻りたくなったセイイチは…

中井千保子・服部清美 朗読。

とてもユニークな話。だれでも苦労なく大金をつかみたいと思うもの。魔力が魅力となって大もうけをした先に待っていたものは、何と「飽きる、退屈」という思いだった。
なんとか無事に人間に戻ったセイイチだが、悪魔の真意は一体何だろうか。

楽して儲けるなんて、いいことじゃないよと、大人にとっては何気に深く刺さるお話です。

アーカイブは残せませんでした。

録音も写真も、何も残せなかった第1回ライブでした。
宣伝がうまくいかなかったためお客様は来ないだろうなと。
なので次回はもう少しPRにも時間と手間暇をかけてより一層良いライブにしたいなと考えています。
基本、著作権切れの作品朗読になりますが非営利で、配信など行わなければ近現代の作家作品を取り扱ってもいいかもしれません。
お聞き下さった数名の皆様からはとても嬉しい感想・コメントを頂戴いたしました。
お世辞と分っていても、ここは素直に喜んでおきます。

次回は『小川未明アラカルト』

今のところ「日本のアンデルセン」と称される、小川未明(おがわみめい)の作品でプログラムを考え中です。小川未明といえば『赤いろうそくと人魚』ですね。青空文庫サイトには、小川未明作品が600作品程度発表されており、子供向けのかわいいものから「え?こんな作品も小川未明なの?」とちょっとびっくりするものまで、様々です。
大人として、小川未明をどう感じ、どう読んでゆくのか、ぜひ挑戦しに朗読会場へお運び頂きたいと存じます。
開催は2024年2月を予定。乞うご期待!

文色草子・創作組を大募集!

文色草子朗読組では、文色草子創作組を募集致します。サムネにあります筆文字アートは、まえだたかこさんの作品。やさしくてほっとする筆文字アートで会場をあったかい雰囲気にしてくださいました。また次回も作品を出品して下さるようにお願いしているトコロです。

こんな風に、朗読会場を作品展示で盛り上げて下さる作家さんを大募集いたします!
絵、書道、手芸作品、生け花など小さなスペースではありますが、展示していただける方是非お問い合わせページより、ご連絡をお待ちしております。
(ギャランティーはありません。詳細は折り返しご連絡いたします)

そして何より、会場へお越し下さる皆様に、感動をプレゼントするため仲間と一生懸命準備中です。

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